聴く歴史・中世『室町ルネッサンス日本の美意識が完成された時代』

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Aug 23, 2022

柄戸 正 著　　イー・ピックス 発行 四六版・160頁　　価格：1,800円（税別） 岩手県大船渡市末崎町にある熊野神社には、樹齢千数百年におよぶツバキの古木がある。日本で ツバキが植えられるようになったのは奈良時代と言われているが、このツバキはまさにその黎明期に植栽 され、以降ずっと大船渡の地で生き永らえてきたということになる。日本最大・日本最古という説も多く、 神社の創建時に東、南、西に植えられたことから三面椿と呼ばれている。本書はこの熊野神社（熊 野寺）が建立された当時、工事に携わった技術

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日本庭園講座 ～智恵と技術を学ぶ～第七回 「小石川後楽園と能の物語」

Apr 22, 2021

前回の講座は常栄寺庭園と妙心寺退蔵院庭園について、雪舟と狩野元信が自己の画業を基盤にした庭園づくりをいかにおこなった か、絵画と庭園空間を対比しながら話を進めた。そこには絵師としての表現を越えた古の日本庭園に対するリスペクトが豊富にあるこ とを理解した。さらに庭園鑑賞の視野を拡張し、宗教的体験にまで導いた庭園空間があることも学んだ。 今回、伝統芸能の頂点として聳える「能の世界」が「日本庭園の世界」とどのように関係してきたのか見ていきたい。「能」は室町時代、 北山文化の中心として発展し、桃山時代に

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12 国際文化会館の庭園を見る

Aug 22, 2019

協力 ＝ 公益財団法人国際文化会館 梅雨があがりそうな微妙な時季に、 港区六本木の国際文化会館を訪ねた 。 日本庭園の見学は樹木が落葉し 、 見通しの良い時期が鑑賞日に相応し いので 、 今回冬と夏の2 回に分けて訪ねた 。 この地は江戸時代に丸亀の多度津藩 、 京極家の江戸藩邸があったところ 。 明治の世になると所有者が次々と変わり 、 昭和 4 年 、 海外の賓客を招く 為に岩崎小弥太によって「和風迎賓館」が作られた 。 建築は大江新太郎 、 庭園は植治こと七代目小川治兵衛 、 当代一流の組

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庭園都市江戸・東京 【最終回】渋沢栄一物語「東京都の恩人が築庭した福島白河の南湖（公園）

Apr 23, 2022

福島県白河市は奥州街道の最後の宿場であった。図１のように街の南方２ｋｍ弱の丘陵地に囲まれた広い谷戸地形を呈する場所に南湖（公園）はある。明治13年（1880）南湖は太政官布告により公園となる。松平定信を敬慕する渋沢栄一（７７歳）は、この年実業界を引退し、深川の浅野セメント問題を抱えていたが、大正５年８月に南湖神社予定地を視察している。この視察の背景を探ると、この年、皇太子（昭和天皇）殿下が行啓し、その前の明治４１年には大正天皇が南湖公園に行啓しており、これを契機に白河町会では神社創建の動きが始ま