近著「日本は世界1位の金属資源大国」が話題を呼んでいる。
一般に日本は資源が乏しいと言われている。
しかし平沼氏は「日本は黄金の国だと思っている。見方を変えるとポテンシャルが見えてくる」と正反対の立場だ。
理由は簡単。
経済大国の日本には電気機器類などの廃棄物が多く、それに含まれる金、銀、クロム、ニッケルなど希少金属が採取できる。
また日本周辺の海洋や海底にはマンガンなど大量の希少金属が賦存し、これらの活用が可能とみているためだ。
レアアース(希少金属)確保が特に関心を呼んだのは2010年秋、尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件に絡んで世界最大の産出国である中国が戦略的物質のレアアース輸出を禁止したのがきっかけ。
電気自動車やLED(省エネ電球)などに欠かせない材料であるだけに衝撃が走り、一躍その確保が脚光を浴びたのである。
平沼氏によると日本の電気機器や自動車等の廃棄物(都市鉱山)に含まれるレアアースのうち金の蓄積量は6800トンで南ア共和国の金産出量6000トン、ロシアの5000トンを上回り世界1位。
銀も6000トンで1位。
インジウムは中国に次いで2位、プラチナ3位、アンチモン4位など上位を占める。
日本はリサイクル技術が進んでおり、さらに推進することで「日本は金属資源大国になる」と太鼓判。
一方、日本は海域が世界6位の広さを持つ。
海底熱水鉱床のコバルト、ニッケルやマンガン団塊などのほか海水からのレアアース採取も大いに期待できるとした。